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w h's List: 自己愛

    • 己愛障害における原始的防衛機制である『投影性同一視(投影同一化)』は、完全に良いものと完全に悪いものを極端に区別する『分裂(splitting)』の防衛機制と一緒に見られることもあるが、『投影(projection)』の防衛機制は精神分析的療法の実施にとって欠かすことの出来ない『転移(transference)』としての性質も持っている。投影性同一視は、自分にとって都合の良い役割(性格)を相手に無意識的に押し付けて強制する働きがあるが、相手に押し付ける役割の多くは、自分に無条件の賞賛や肯定を与えてくれる『自己対象(過去の重要な人物)』としての意味合いを持っている。
    • 投影性同一視の投影は『理想化された外的対象』に向けて行われるが、その場合には「理想自己」と「理想対象(理想化された外的対象)」が渾然一体となり心の内面と外部の区別が曖昧になる。誇大自己の高い理想と承認欲求を満たしてくれる対象(他者)だけが『良いもの』とされ、自分の思い通りにならない批判的な対象(他者)は『悪いもの』として脱価値化されて捨象される。「分裂」と「脱価値化」と「投影性同一視」の防衛機制を巧みに用いた結果、自己愛障害(自己愛性人格障害)の人は、外的な現実世界を自分の都合の良いように作り変えることに成功することがあり、その場合には、幻想的な誇大自己と自己中心的な振る舞いが容認される可能性もある。

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    • これは言い換えれば、自分を実際よりも良く見せようとする虚栄心(競争心)が強く、他人に対して見栄っ張りであるということであり、自体愛的な一次的ナルシシズムとは違って『自分一人の世界(内面的な精神活動)』では心理的な満足感を得ることが出来ないということである。自己愛性人格障害の人の求めているものは、一般で考えられているような自閉的で内向的な自己満足ではなく、『自分の価値(魅力・権力・業績)を積極的に認めてくれる他者』なのである。
    • 一次的自己愛が遷延して起こる『搾取的な関係』というのは、自分の利益(快)だけを考えて相手の感情や損失に配慮しない『自己中心的な関係』のことであり、自分が相手に何も与えなくても相手は自分に特別な愛情や待遇を与えるべきだという『非対称的(特権階級的)な関係』のことである。

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    • 原始的防衛機制として知られる『分裂(splitting)』は、他人を『完全に良い人』『完全に悪い人』の二つに断定的に分類して、自分を否定的に評価する『完全に悪い人』を攻撃して消滅させようとする心理機制である。
    • 『分裂』の防衛機制の頻繁な使用は『不安定な継続しない対人関係』をもたらすが、それは、人間を良いか悪いかの二元論で選別する「分裂」によって対人評価が『理想化(褒め殺し)・全否定(こきおろし)』の両極端を揺れ動くからである。

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    • 脱価値化は『過去に価値を認めていたものを潔く断念する』といった肯定的な効果を生み出すこともある。しかし、過去に親密だった人間関係をあっさりと断ち切る脱価値化を頻繁に用いると、一般的には、根気のない飽き性や身勝手な気分屋、友人に対して不誠実な人という批判を受けやすくなるだろう。
    • また脱価値化とは、自分の欲求を満たしてくれない相手への愛情や関心を即座に撤収することなので、『あの人にはもはや何の価値もない』という脱価値化の防衛機制を用いる人は嫉妬心(envy)が強いことが多い。『本当はまだ好きだけど、好きと認めてしまえば自尊心が傷つく(好きと幾ら主張しても拒絶されるばかりで何の効果もない)』という時に脱価値化は最も効果を発揮し、身を焦がすような嫉妬(羨望)の苦痛から自分を守ってくれる。しかし、脱価値化による嫉妬感情の緩和は不快な認知的不協和(矛盾する二つの考えや感情を同時に持っており自己欺瞞していること)を伴うことがあるので、脱価値化(自分で自分を巧妙にだます防衛機制)を繰り返すばかりでは本当の孤独感や空虚感は癒えることがない。

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    • a)感情転移
       

       

       この型の転移は極めて簡単なものである。患者は分析者に対して、愛,憎しみ,嫉妬,不安のような激しい感情を抱き、分析者によって自分の感情がかき乱されているように思う。

    • b)防衛の転移(転移抵抗)
       

       

      患者は、第一の型の転移のように、幼児期のエスの興奮を強迫的に反復するのであるが、ただそれだけでなく、その幼児期の衝動興奮に対する防衛までも強制反復する。つまり、転移として、自我によって歪められた衝動興奮が現れるのである。歪められていない幼児期のエスの興奮は、意識に現れようとすると、成人自我の検閲を二次的に受ける。
       

       

       この種の転移の極端な場合、衝動そのものは全く表れず、防衛法のみが表される。

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    • 例えば、こわばった態度、傲慢な態度など、これらは全て、かつて旺盛であった防衛機制の名残である。その防衛の過程は、衝動や情緒との闘いからは全く離れてしまって、既に“そのもの”、ライヒが言う“性格装甲”にまで発展したものである。それは、ある特定の防衛機制が利用されるとか、内からの衝動の要求や情緒が起きるとか、そうしたこととは無関係である。
    • そうした事例では、不安内容を意識的なものにするためには、まず患者が自分の情緒(不安)に対してとる防衛を分析することが必要であり、その防衛が働かないようにするべきである。
    • 自我の防衛法は、おおよそ次の10種類ある。 列挙すれば、抑圧,退行,反動形成,隔離,打ち消し,投影,取り入れ,転倒,リビドーの自分自身への向け変え,昇華もしくは置き換え、である。
    • ヒステリーでは、その憎しみを抑圧によって解決する。母親に対する憎しみは、意識から退けられる。そして憎しみと結び付いている攻撃衝動、ペニス羨望と結び付いている性的衝動は、身体的な条件が許すなら、身体症状に転換される。その他の場合では、葛藤が再発しないように恐怖症を利用して自分を守る。こうした場合、自我はもっぱら抑圧をこととし、それ以外のことは何もしないように見える。自我は抑圧が緩みそうな状況を全て避ける。
       

       

       強迫神経症においても、まずペニス羨望と母親に対する憎しみが第一に抑圧される。それに続いて自我は、抑圧されたものが逆戻りしないように、反動形成をおこなう。母親に対して攻撃的であった子どもは優しくなり、羨望や嫉妬は、他人に対する公平と思いやりになる。強迫的儀式によって、愛する人に対して攻撃衝動を爆発させないようにする。また極端に厳格な道徳的規則を作り、性的興奮を表わさないようにする。

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    • 現実を否認しようとする(危険,不快,不安から逃れようとして)自我の働きは、他の自我の機能と矛盾する。自我には現実検討の機能が負わされているからである。子どもたちは、知的に空想と現実を区別することができる。しかし情緒生活においては、苦痛を伴う現実を否認し、現実とは異なった空想の世界に閉じ籠もることによって、空想上の快感が現実の不快よりも重要な意味を持つようになる。つまり幼児の自我にとって、矛盾する空想と現実の併存は容認されている。
       

       

       成長すると、現実の不安に対する防衛としての空想は、その意味を失っていく。いつ頃からかは定かでないが。自我の検討能力が高まり、また自我の統合の要求が強まって体制内の矛盾が許されなくなるためか。とにかく成人において、不満を空想的に満たすことは、子どものように無害であるとは言えない。もし自我が幻覚的に不満の解消をおこない、現実検討の機能を放棄するなら、病的となるだろう。

    • .言葉や行為における現実否認
       

       

       現実否認は、空想だけでなく、言葉や行為によってもおこなわれる。一般に子どもの遊び、特に“ごっこ遊び”の背後には現実否認の動機がある。
       

       

       前章で述べられたように、子どもは空想と現実が併存できる自我構造を持っている。しかし現実否認が度を超してくると、その言葉や行為が強迫じみてくることがある。いつも分かり切った嘘を言う子ども,いつも大人の真似をしている子ども,いつも冗談を言っていないと落ち着かない子どもがいる。一見強迫神経症と似ている。しかし、神経症的強迫は、自我のエスに対する防衛であるが、子どもの強迫的現実否認は、その環境の不快から逃れようとするものであって、それ自身病的な性質を持つものではない。

    • 不安を起こす者を身体的表現で模倣する者
    • アイヒホルンは、先生と少年の2人を注意深く観察して、少年の変な顔つきは、先生が怒ったときの表情の戯画にすぎないことを発見した。また少年が先生から怒られたり怒られそうになると、先生を真似て同じように怒り同じような言葉遣いをしたのである。少年自身は、そのことに気付いていなかった。少年が変な顔つきをするのは、不安を起こさせる外界の他者と自分とを同化、ないしは同一視するためなのであった。

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    • 投影の働きは、抑圧のそれと良く似た性質がある。危険な衝動の興奮を意識するとき、その危険を自我とは無関係なものにするのが投影である。抑圧においては、問題となる観念表象がエスの中に押し込められるが、投影においては外界に移し変えられる。
    • 投影により、自分の嫉妬や攻撃を他人のせいにすれば、人間関係は損なわれるだろう。

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    • らゆる神経症は、抑圧された本能的欲求(それは必ず発達早期の幼児的な性的欲求を含んでいる)と自我の抑圧する力との葛藤に由来している。
    • この葛藤を解決するためには、抑圧の解除=無意識的葛藤の意識化が必要である。

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    •  自分は特別な人間だ、パンピー(一般のピープル)とは違うんだという意識から、小市民的な生き方を軽蔑し、そういう人達と一緒にされることを嫌います。裏付けとなるものがなにもないのに、一目置かれる存在であることに非常にこだわります。
       
        あるいは、自分という人間は特別な人しか理解することができないのだと思ったりします。たとえば、以前マスターソンがラジオで自己愛人格障害の話をしたところ、自分は自己愛人格障害なのでぜひ治療してもらいたいという人が何人も電話してきました。そこでそのうちの十人を治療することになったのですが、実際に治療するのは高名なマスターソン本人ではないと知ったとき、十人が十人とも治療を断ったそうです。無名の医師ではダメなのです。
       
        他人に対する共感に乏しく、他人を自分のために利用します。他人の業績を横取りして自分のものにしたりします。優越感に浸るために他人を利用します。他人の存在とは、素晴らしい自分を映し出す鏡である、くらいにしか思っていません。ですから、他人から批判されたりすると、すぐにカッとなって怒ります。あくまでも自分は優れた存在なのです。
       
        もともと、裏付けのない優越感ですので、話のつじつまを合わせるために嘘をつくこともありますが、本人には嘘をついているという意識はあまりありません。ときにはホラ話のように、話がどんどん大きくなっていって、どこまで本当なのか分からなくなります。
       
        有名人に近付くことで自分を特別な存在だと思い込んだりします。政治的な大物に近付いて自分の誇大感を膨らませることもあります。自分も同じ世界の人間になったように錯覚して、裏付けのない空想的な野心にのめり込んだりすることもあります。
       
        誇大感を持つ人には二つのタイプがあります。自分は素晴らしいと言うタイプと、あなたは素晴らしいというタイプです。あなたは素晴らしいというタイプの人は、その素晴らしい人に奉仕している私も素晴らしい特別な存在だと言うふうになります。偉大な独裁者を崇拝する献身的な国民、偉大な神に身を捧げる熱狂的な信者、ワンマン経営者に心酔して滅私奉公する素晴らしい幹部社員、有名な歌手の応援をする熱狂的なファンなどです。
       
        すべてに言えることは、ありのままの自分が愛せないのです。自分は優越的な存在でなければならず、素晴らしい特別な存在であり、偉大な輝きに満ちた存在でなければならないのです。愛すべき自分とは、とにかく輝いていなければならないのです。しかし、これはありのままの自分ではないので、現実的な裏付けを欠くことになります。
       
        しかし、本人にしてみれば、高慢だと言われてもぴんと来ないかもしれません。それよりは、他人や周囲の出来事を過小評価していると言った方が理解されやすいかもしれません。自分より優れたものを認めたがらず馬鹿にしているので、他人の能力や才能が見えまず、他人の優秀さを無視します。そして、他人を見下したり軽蔑したりすることに快感を覚えたりします。
      • 自己愛者の特徴

    • もともと、裏付けのない優越感ですので、話のつじつまを合わせるために嘘をつくこともありますが、本人には嘘をついているという意識はあまりありません。ときにはホラ話のように、話がどんどん大きくなっていって、どこまで本当なのか分からなくなります。

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    • 自己愛性人格障害(じこあいせいじんかくしょうがい、英語: Narcissistic Personality Disorder)とは、ありのままの自分を愛せず、自分は優越的で素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込む人格障害であるとされる。
      • 臨床像 [編集]

         
           
        • 内的には不安定であるにもかかわらず、誇大的な自己像や積極的な自己顕示により、「頭がいい」「仕事ができる」「表現力がある」といった長所を持つと思われることが多い。そのため、彼らが不適応行動を起こしたとき、周囲の人は意外な感じを持つことが稀ではない。
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        • 自分について素晴らしい理想的な自己像(誇大的自己)を抱き、自分は他人より優れた能力を持っているとか、自分は特別だと思い込んでいる。うぬぼれが強い。
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        • その背後で、常に深刻な不安定感や頼りなさを経験し、本質的には他者依存的である。自尊心を維持するために、絶えず周囲からの称賛・好意・特別扱いを得ようとする(アルコール依存症患者が酒を求めるように)。あるいは、自分が理想とするような権力や能力のある人に頼り、まるで自分がその人であるかのように考えたり振る舞ったりする。
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        • 自己肯定感や自尊心が高まっているという感覚を、一定の期間維持することができる。この感覚が自分を支配しているとき、自分が傷ついたという、弱い一面を持っていることにほとんど気付かない。しかし、誇大的な自己像が傷つけられるような体験をすると、一転して自分はだめだ、価値がない、無能だと感じる。自分についてもある一つの体験についても、よい面もあれば悪い面もあるといったとらえ方ができない。
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        • 自分に向けられた非難や批判に対し、怒りや憎しみを持つか、屈辱感や落胆を経験する。これらの感情は必ずしも表面にあらわれず、内心そのように感じているということがしばしば。自分に言い聞かせて自分を慰めることができない。誰か他の人に慰め、認めてもらわないと、自分を維持できない。否定をされるとそれを受け入れられずに現実逃避し、嘘や詭弁で逃げようとする。そのため失敗について本当に反省したり、そのときのつらさや痛みを認識する能力に欠けている。失敗(あるいは批判)から新しく何かを学ぶことができない。
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        • 次から次へと際限なく成功・権力・名声・富・美を追い求めており、誇大的な自己像を現実化しようと絶えず努力している。しかし上記のような考え方の偏りにより、その過酷な努力を社会的成功に結び付けられないことがある。なお能力がない自己愛者は、より退行した形で他者からの是認を求めようとする。
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        • 誇大的な自己像を思い描き、その空想的な思い込みの世界に浸っている。他者と関係を持つにしても、それは自分の自尊心を支えるために人を利用している傾向がある。本当の意味で他者に共感したり、思いやりを持ったり、感謝したりすることができない場合が多い。(もっとも言語的表現力がしばしばあるので、うわべだけの思いやりを示すことに長けている)。表面的な適応はさておき、他者との現実的な信頼関係を持つことができない。 Cf. 自己-対象(self-object):自己愛者の誇大自己(grandiose self)や自尊心を満たしてくれるような外部の人
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        • 自己愛性人格障害の人は、良心に乏しく利己主義で邪悪な人間である[1]

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    • 二次性ナルシシズムは、自己愛性人格障害の主要原因の一つと考えることもでき、二次性ナルシシズムの原因としては『過保護・過干渉・甘やかし(他者依存を強化するアプローチ)』『無視・拒絶・暴力(自己否定を強化するアプローチ)』という正反対の原因が想定されていますが、どちらも子どもの精神的自立を障害する作用を持つという点では共通しています。
    • 次性ナルシシズムは、自己愛性人格障害の主要原因の一つと考えることもでき、二次性ナルシシズムの原因としては『過保護・過干渉・甘やかし(他者依存を強化するアプローチ)』『無視・拒絶・暴力(自己否定を強化するアプローチ)』という正反対の原因が想定されていますが、どちらも子どもの精神的自立を障害する作用を持つという点では共通しています。
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