●結婚の効果(財産上の効果)
(1)-結婚の届け出前に契約を結び登記すれば夫婦財産契約として夫婦の承継人や第三者に対抗できます。
①夫婦となる男女が結婚前にその合意によって結婚後の夫婦の財産関係を契約により定めることを言い、結婚届をするまでにこの登記をしなければ効力は生じません。
②契約の内容は自由に定めることができます。
※夫婦共同生活の本質に反する定め(同居、協力、扶助を否定する合意)はできません。
③この契約は相続人や第三者に重大な利害関係がありまから結婚届後の変更はできません。
※契約中の条項に変更が留保されているときはこれに基づき変更ができます。登記することにより第三者に対抗できます。
④夫婦の一方が他方の財産を管理する場合、その管理の失当により財産を危うくした時は他方は自分で管理することを家裁に請求し登記することにより第三者に対抗できます。
※共有財産の分割登記もできます。
(2)-夫婦財産契約を結ばなかった時は民法規定に従います。これを法定財産制と言います。
①夫婦の一方が結婚前から所有する財産や結婚中に自分の名前で得た財産は特有財産とされます。
※夫婦のどちらに属するか明らかでない財産は夫婦の共有財産となります。
②結婚生活の為の費用は夫婦の資産、収入その他一切の事情を考慮して分担します。この費用は衣食住、出産、医療、交際費、未成年の子の養育教育費用等を含みます。
③日常の家事に関して夫婦の一方が第三者と法律行為をした場合は他の一方はこれにより生じた債務について連帯して責任を負います。
●夫婦間の契約取消権
夫婦間での契約は、何時でも夫婦の一方から理由なしに取り消すことができます。これは夫婦間の契約は当事者の愛情と道義により処理するのが妥当であるとの考え方です。
※しかし夫婦間の関係が破綻しそうな状態の場合は取消権の行使を認めない事があります。離婚の合意と密接な関係にある財産分与の契約は取り消すことができません。