ここまで苦労してでもGoogle Gearsを採用した、その最大の魅力は何だったのか。朴氏は将来的に標準になるという可能性に賭けたと話す。また、開発したサービスをオープンソースとして公開することも視野に入れていたことから、Google Gearsがオープンソースであることは大きな後押しになったようだ。
「きちんとした製品を作り、ユーザーの支持を得てからオープンソース化しようと考えていた。Googleが専門部隊を持ち、オフライン機能に特化したモジュールを開発するのであればそちらを採用したほうがいいと思った」(朴氏)
自社でモジュールを開発したほうが楽だったのではないか、という意地悪な質問をしてみた。すると朴氏は、「自社でやったらもっと時間がかかったかもしれない」とした上で、「でもコードのリファレンスがなくて苦労したので、最終的には同じくらいかな」と笑った。
Synkiはユーザーごとに細かく権限を設定でき、複数のWikiサイトを開設できる点が特徴だ。ワークスペースと呼ばれる作業スペースごとに権限を設定できる。もちろんオフラインでも使用でき、オンラインになった時点で最新の情報に同期される。
「Synkiは『Sync(同期)するWiki』という意味。Wikiは次世代CMSとして着目している。非常に生産性の高いツールで、仕事で利用するのに向いている。特に他人と共同作業をする場合に有効だ。社内ブログは、将来Wikiに置き換わっていくかもしれない。いずれはSynkiとGmailだけあれば仕事が完結するような環境を提供したい」
Wiki記法を知らない人でも利用しやすいように、リンクタグなどを自動的に埋め込むボタンを用意する。今後はタグを不要にするWYSIWYGに対応するほか、スプレッドシートの共有などができるようにする。また、企業が使いやすいテンプレートも用意する。
Googleからコラボレーションサービス『Google Sites』の一般公開が5月23日から始まった。それまでGoogle Appsの一部として提供されていたが、一般公開によって誰でも無料でこのサービスを利用できるようになった。Google Sitesは、HTMLを知らなくてもサイトを構築できる「Webベースのコラボレーションサービス」などと言われている。では、他の類似Webサービスと比べて何が違い、何が魅力なのか。実際に触れてみることで色々分かってきた。とくにGoogle Sitesは"Googleならでは""Googleだからこそ"ここまでできると言えるような魅力がたくさん詰まっている。
最近、僕の中ではまた少し認識が変わっていて、いろんなWikiのバリエーションを認めつつ、そこで定義がぶれてくる部分を剥ぎ取っていくと、最後に残るのはこういうものかな、と思い始めています。
私見で言えば、Wiki概念の多様性(2006 江渡浩一郎, 塚本牧生, 島田慶樹)の「Wikiの多様化」の図で示したように、海外では2000年まで、国内では2003年までに登場したYukiWiki、PukiWiki、WalWiki、Hiki、VikiWikiなどの第一世代のWikiアプリケーションが一般的な要求に応えるスタンダードなものでした。これに対して、それ以降にはさまざまな目的に応じた新しい世代と呼べるWikiアプリケーションが作られてきました。
第一世代のWikiアプリケーションもまだ更新が続けられていて健在で、そこからのチョイスでは「とりあえずPukiWiki」の感がありますが、新世代を含めて、例えば「イントラWikiとして何をチョイスするか」という話では、まだこれがスタンダードというものはないように思います。概念(やバズワード)としてのWikiではなく、選定や設置、カスタマイズや自作など泥臭い実体としてのWikiに取り組んできた方々と話してみて、いっそうそう思いました。
Wikiが広まらない理由として(1)気軽に使えるホスティングサービスがほとんどないこと、(2)使い方が分かりにくいこと——を挙げ、それぞれを克服できるサービスにしたと話す。
主流メディアへの不信感が高まっている現在、wikiの人気と広がりは特に重要な意味を持っている。さまざまな意味で、wikiは情報化時代の原則--「一般市民に意見を述べる機会を提供する」という民主化の原則を象徴する存在だ。
「インターネットの分散的な性質を利用すれば、同じ関心を持つ者を即座に結びつけ、各自が持つ多様でほぼ無限大の知識を動員し、ものの数時間で一貫した形にまとめあげることができる」と、Marchexのプロダクトマネージャで、「KatrinaHelp.info」というwikiの作成を支援したRob Klineはいう。「これは地球規模の分散システムなので、私が寝ている間も、他の人が作業を進めてくれる」(Kline)
ログインすると直ちにダッシュボードが起動し、そこで最新の変更点やウォッチリスト、ワークグループ全体の状況、共同作業スタッフが誰でも書き込めるホワイトボード(掲示板)の内容が確認できる。
サイト全体を自由自在に動けるようナビ機能とカテゴリー機能を完全装備。 タグ付けは候補タグを何点か自動的にサジェストしてくれるし、インバウンドリンクがあればこれをハイライトしてくれる。数あるUI改良点の中でも一番どう でも良さそうなのは全画面表示でページを編集できるようになった点。WYSIWYG GUIがあるおかげで初心者にもより快適にwikiが使えるようになったのはいいが、Web2.0のツールはテキストボックスを最小化して、その中で編集 を行うタイプのものが多いのでGUIのインパクトはそれほど。全画面表示で編集すると、まるでWordを使ってるような気分になるのは何故だろう。
Mayfield氏がそのような大きな賭けに出た背景には、SocialtextのライバルであるJotSpotが、同社のwikiソフトを改良し、簡単さと使いやすさの向上を図ると発表したという事情がある。JotSpotによると、同社は、wikiをより容易に構築できるようにすることを目的としたソフトウェアのバージョン2.0を発表している。
また今回のSocialtextの動きには、先に発表されたGoogleの表計算分野への進出も影響している。Socialtextは現在、wikiに表計算機能を組み合わせた、ブラウザベースのオープンソースコラボレーションツール「WikiCalc」のテストを行っている。
JotSpotの製品を使えば、簡単なエディタ、スプレッドシート、カレンダー、ブログなどのアプリケーションを簡単に作成でき、複数のユーザーがインターネット上で共同編集することも可能だ。JotSpotは2006年7月に自社製品をアップデートし、異なる「Officeライクな」製品間で複数ユーザーによる共同編集ができるようにしている。また、顧客のサーバにダウンロードして利用できるソフトウェア版をテスト中であることも明らかにしている。
「Googleなら似たようなものを作ることもできるだろうが、それよりも製品を買収してGoogleの持つ強みと組み合わせる方が早い」と、「The Google Legacy」の著者Stephen E. Arnold氏は言う。確かに両社には重複している部分はある。しかし、JotSpotがもたらす、共同編集が可能なWikiベースのサービスは、Googleが自前では持っていないものだ。
JotSpotの競合企業SocialtextのCEO、Ross Mayfield氏は、今回のGoogleによる買収によってWikiベースのアプリケーションの重要性が証明されたと、自身のブログで語っている。しかし、同時にMayfield氏は、JotSpotのソフトウェアは「独自仕様」だが、Socialtextが提供するソフトウェアは標準に準拠しているとして、対抗意識を表している。
また、Mayfield氏は「今回の買収によって、市場のローエンド側での普及がさらに進むだろう。これは、わたしたちが『Socialtext』と『SocialCalc』のオープンソース版を提供することで推し進めている戦略だ」と述べている。
一方、YahooはPBWikiと提携して、「Yahoo! Groups」のユーザー向けにWiki作成サービスを提供している。
従来のWikiではユーザーが共同編集できるのはテキストのみだったが、JotSpot 2.0では「page types」の新機能を使い、共用の予定表、スプレッドシート、ファイル保存場所、文書、写真ギャラリーをワンクリックで作成できる。
Microsoft Officeのような使い慣れたデスクトップアプリケーションの機能性と、Wikiの特徴であるコラボレーション機能および柔軟性を組み合わせ、あらゆる情報について簡単にコラボレーションが可能になると、JotSpotは説明している。
JotSpotは、米Excite共同創業者のクラウス氏とグラハム・スペンサー氏が、Exciteを去った後に共同で立ち上げた企業。Wikiの特徴であるコラボレーション機能と、HTML言語などを知らなくても作業できる簡易性を活用。文書や表計算ソフト、カレンダーなどをグループで共有するソリューションを提供している。
買収の決定に関してJotSpotでは、Googleとは「Web上で最良のコラボレーションを作るというビジョン」が共通しており、そのビジョンの推進にはGoogleの環境が適している、としている。
キャメルケースを使わないリンク方法はウィキの開発者に代替の解決策を探すよう促した。様々なウィキエンジンは []
、{}
、_
または /
他の文字をリンクパターンとして用いている。異なったウィキコミュニティ間のリンクはInterWikiと呼ばれる特別なリンク方法を用いることで実現が可能となる。
ウィキで新しいページを作るには、厳密には他のページからリンクされることによって作られなければならない。
WikiサービスJotspotを買収してもうじき1年のグーグルが、やっとサイト復活に向け重い腰をあげたようだ。
Jotspotは買収発表後、ずっと新規カスタマー登録を受け付けていないが、既存カスタマーは今もアカウントにアクセスできる。ブログ「Google Operating System」によると、Jotspotの掲示板とヘルプデスクはもうグーグルに移管になったという。さらにブログ「Google Blogoscoped」は、“jotspot”がGoogle Appsサービスのコードネームであることに気づいた。早速サービスにログインしてみたところ、(どこかピンボケな)Google Wikiロゴのページが出てきた。
問題になるのが、非技術系社員の取り込みだ。ヤフーでは、新人向けのガイドから業務に必須の情報まで、すでにあらゆる情報がWiki上にあるため、既に「使わざるを得ない」状況ができている。しかし、それでもすべての社員がいきなりWikiを使いこなせるわけではない。そこでシステム統括部では、Wikiシステムの利用を広めるために、社内キャラバンを組んで使い方を教えて回っている。
「それでもわからない場合は、メッセンジャーでシステム統括部の人に直接質問することもある」と広報の菊池氏。石井氏は、こうしたメッセンジャーによる質問、つまり「どこがわからないのか」も重要な情報の一部だという。
ヤフー システム統括部開発部の阪田浩隆氏は「ヤフーに入社したら、すぐに『コンフルを使いなさい』といわれる。そのかわり、退職したり、産休などで一時的でも離職する場合は、セキュリティ上、翌日にはアカウントが使えなくなる」と話す。
「コンフル」とは、AtlassianのEnterprise Wiki製品Confluenceのことだ。ヤフーでは、一般職の社員で「Wiki」という言葉は知らなくても、「コンフル」という愛称なら知っている。
同社 情報セキュリティ本部 情報システム構築部の羽生純也氏は、「ヤフーでは、2002年〜2003年頃に、エンジニアがチーム単位で知識共有のために立ち上げたWikiが登場し始めていた」という。
その後システム統括部では、これを「PukiWiki」というオープンソースWikiを使ってまとめ始める。技術系のWikiはもちろん、部署単位のWikiなども用意し始め、日々の業務に欠かせないほど情報が貯まり始めた。Confluenceの導入が始まったのは2006年前半だ。
人材の流動化が勢いを増す中、日々の業務の中で生まれてくる「気づき」や「ノウハウ」をいかにカタチにし、資産として残すかは、今日の企業にとって重要な課題だ。今、そうした「集合知」を蓄積し、更新し、さらに見つけ出すためのツールとして注目を集めているのが「Wiki」というツールだ。
Wikiはウェブサイトのひとつの形態だが、誰でも簡単にコンテンツを追加、削除し、編集できることが特徴となっている。例えばこの記事がWiki上に掲載されていれば、読者であるあなた自身が情報を追加したり、修正したりできることになる。
誰もが自由に編集できたら混乱が生じると心配する人もいるかもしれない。しかし、実践してみるとちゃんとした秩序が生まれることは、インターネットの百科事典としてお馴染みの「Wikipedia(ウィキペディア)」が証明している。