NTTドコモは「共通プラットフォームを活用すれば、開発コストの低減や開発期間の短縮ができ、W-CDMAの普及にもつながる」と期待する。
携帯電話のOSやユーザーインタフェースが端末ごとに異なることが、開発コストを高めていると長く指摘されてきた。端末に依存しない共通プラットフォームなら、他端末用に開発した機能やアプリをそのまま流用するなどして開発コストを削減できる。加えてAndroidは無償。Googleは「端末の開発コストが10%抑えられる」としている。
さらにドコモは「OHAに参加する各社と連携できること」もメリットに挙げる。同社は今後、他社との連携した取り組みを進めていく方針。「総務省の『モバイルビジネス研究会』でも携帯サービスはオープン化していく必要があると指摘されてきた。Androidだけでなく、今後もオープンにやっていきたい」
KDDIは独自の統合プラットフォーム「KCP+」を開発。今冬モデルから採用しているが、それと並行してAndroidも活用していくという。「KCP+だけですべてのユーザーのニーズを満たせるかどうかは分からない。Androidも活用し、多様化したユーザーニーズに対応していきたい」(KDDI)
また「KCP+は多様なアプリケーションがデフォルトで入っていて、不要な機能は削減していくというスタンスだが、Androidは、必要なアプリケーションをプラスしていくという発想に見える」と同社の広報担当者は話し、構築の考え方自体が異なるのではという見方を語った。
Apache Licenceを利用したオープンソースで提供され、参加各社は必要な一部機能だけを選んで使うことができる。スマートフォンのような高機能端末だけでなく、ローエンド端末にも対応できるとしている。
Googleが中心となり、携帯電話メーカーや通信事業者など33社と組んだアライアンス「Open Handset Alliance」(OHA)で開発。OHAの33社には、T-MobileやQUALCOMM、Motorolaなど米国を中心とした携帯キャリアやチップメーカーのほか、国内キャリアとしてはNTTドコモとKDDIが参加する。
だが、Androidの成功を目指すGoogleと33社のテクノロジー企業が結成したOpen Handset Alliance(OHA)は、ワイヤレス分野の大手企業の幾つかを欠いているとアナリストは主張する。
まず、米大手キャリアのAT&TもVerizonもOHAに加わっていない。このことから、両社がAndroidのコンセプトに賛同していないのではないかとの憶測が流れている。
この2社の不参加は、携帯キャリアは自分たちの利益のために携帯ネットワークと端末をクローズドにしておきたいから、こうした団体への参加を避けているという見方を浮き彫りにしている。
AT&TとVerizonがいないため、OHAの影響は当面は限られたものになると指摘する。AT&TとVerizonに加え、英Vodafoneと仏France TelecomもAndroidの輪に加わっていない。
しかも大手の不参加はキャリアにとどまらない。世界最大の携帯電話メーカーNokiaもOHAに加盟していない。同社は全世界の携帯電話の約3分の1を販売しており、自社の端末にSymbian OSを採用している。
さらに、加盟している端末メーカーも、Androidだけを採用するという約束はしていない。