この「The network is the computer.」とは、サン・マイクロシステムズが一九八二年創業時から標榜していた、じつに画期的なビジョンなのである。最近でこそ業績が低迷しているが、サンはコンピュータ・サイエンスの進歩の流れを産業に正しく反映させようと努力し続けてきた会社だ。シュミットは博士号を取ったあと一九八三年にサンに入社し、CTO(最高技術責任者)まで昇りつめ、その思想を体現した人なのである。
ところで、シュミットの言う「クラウド・コンピューティング」の「拡散したサイバースペース大気圏」とはいったいどこにあるのか。むろん宇宙空間にあるわけもなく、地上のデータセンターの中にある。グーグルはいま莫大な土地を買い集め、巨大なデータセンターを地球上にいくつも建て、それらを高速ネットワークで結ぶ突貫工事を続けている。グーグルの設備投資額は二〇〇五年下期から急増しているのだが、二〇〇七年は、年間三千億円に及ぶ設備投資が行なわれよう。
そしてこの投資によってできあがる「あちら側」の「グーグル・クラウド」によって、「こちら側」に今年投入されるマイクロソフトの新OS「ビスタ」を無意味にしてしまおうという企図を持つ。これがグーグルの「二つ目の顔」なのである。
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