氏曰く、江戸時代に俳句を詠んでいた趣味人たちは、士農工商の階級のある現実世界(ファーストライフ)の垣根を越えて全国各地で歌会を開催した。そこに集う人々は本名とは違う”ペンネーム”を使い、社会的階級の区別なく共同の創造行為を楽しんだ。たとえば連歌のように、歌の詠み手達はひとつの仮想世界(セカンドライフ)を共有していたという。
このような俳句や短歌、また利き酒や茶道など江戸時代における趣味的な芸術サークルの活動は、徳川幕府の政治的統制を逃れることができており、詠まれる歌は自由の気風に満ちていた。こうした緩やかな民衆のネットワークが、明治以降の日本の近代化・民主化プロセスにおいて重要な役割を果たしたと氏は考察しており、セカンドライフは江戸時代の趣味芸術サークルが果たした「新しい公共圏」の役割を現代において担うことになるかもしれないとしている。
残念ながら論文は全て英文で書かれているが、PDF(全19P)で公開されているので興味のある人は是非読んでみてほしい。
論文はこちら(PDF)
http://journals.tdl.org/jvwr/article/view/288/219
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