組織は必要である、しかし事を成しても組織を永遠に続くものと思って作ってはらない、このメッセージを伝えたいのです。既得権益の擁護のどこが間違っているかを一言すれば「村落共同体」(村社会)イデオロギーに立脚しているところです。
このイデオロギーは「何を生むか!」でなく「あと何人食えるか?」という発想が骨の髄まで染み込んでいます。本質的に「村を出る」ことを嫌います。
NTTも、情報通信技術の覇者として世界に飛び立つ本来の可能性を自ら摘んでしまい、時代に取り残された果てに、陰湿な労務屋が仕切る村社会に転落したからこそ、 ADSLを黙殺しようとしました。光ファイバー独占路線もしかり。
この種の村社会は日本中を覆っています。村を出でて村が交差するところ、そこにこそ未来の組織が生まれるのです。そこの合言葉は「何か面白いことない?」となります。面白さとは新しく一時的だからこそ本物です。そこでは、あと何人食えるかという不安の言い換えである永続性は不要となります。
近頃時代閉塞感が深まりに日本のメルトダウンなどという恐ろしい予言が飛び交い出しましたが、日本の歴史には今までは存在していなかった町や都市の開放性が主導する「面白い」時代を新たに建設してゆくことが、このメルトダウン予言への最良の対抗策でしょう。
「ああ面白かった!」という東京めたりっく通信の実感を本書がいかに豊かに伝えられたかについては、筆者の筆力では荷が重すぎたかも知れません。
通史的な一貫性に妨害されて、縦の掘り込みも浅いままです。しかし、この組織=生態系が成した事を発端から終末まで綴ることができたことに喜びを感じています。
もとより、個人に見えた世界としての完成です。しかし未完成こそ「村」を越える契機なのです。お説教はこのくらいとしましょう。どうぞ物語を楽しんでください。
2008年1月
東條 巖
現 (株)数理技研 取締役会長
元 東京めたりっく通信(株) 代表取締役社長
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