だが、どれも元気だった頃あるいは、コミュニケーションができるうちに書いた事前指示書に従えば、先々の治療や生活のことよりも呼吸器を外されることが先に問われてしまうということだ。そしてこれも意思をどの程度まで拾えるのかという、他者の理論に摩り替わることに気がつかなければならない。結局は、自分では一生懸命伝えようとしていても、読み取ってもらえなければ、意思疎通はできないことになる。これは何もALSばかりではなく、重い障害者や一時的な意識不明、高齢で老衰に差しかかってきた人がみなそうだ。
また、治療停止の自己決定にしても、痛い、かゆい、喉が乾いた、便が出た、そんなことが言えなくなったこれらの人には、終始誰かがそばに居て手伝ってあげなければその人のQOLは著しく低下するが、尊厳死を支持する人はケアの必要性について、まったく考えようとしないようだ。尊厳を維持するこれらのケアの提供者が、家族以外には、病院にも在宅にもいないのだから、終末期に惨めな思いをして、絶望した人々が自殺を望むようにできるだけ早く死にたがるようになるだろう。
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