まず、1つ目の誤解は、REITは伝統的資産に対してオルタナティブ資産として考えられているが、実は必ずしもそうではないということである。長期的に見ると株式市場との相関は高くないが、株式の下落局面では相関性が高いのである。例えば、米国で見ると原油価格が下落すれば、石油業界に依存している地域の不動産価格は下落する傾向がある。また、景気動向に左右される業界(例えば、ホテル業界)の不動産価格は、経済全体が縮小傾向に向かえば、一気に低下する。現在様々なREITが組成されているが、ホテル特化型REIT等は、景気減速の直撃を受けるREITであろう。
次に、銀行からノン・リコース・ローンという形で融資を受けているため、ある程度銀行によってデュー・ディリジェンスが働いているので大丈夫という人がいるように思う。最近の銀行は、言っては悪いがあまりデュー・ディリジェンスを行っていないように思う。銀行はそもそもノン・リコース・ローンで貸し出しは行っているが、これはフィー獲得(貸し出し増加)のためであり、すぐさまそのローンをパッケージ化してCMBS等で第3者に売却している。銀行にとっては、フィーを稼げるし、リスクをとらなくて良いので、格好のビジネスモデルとなっている。
実際のデュー・ディリジェンスを行っているのはREIT組成者や、私募の場合であれば投資するヘッジファンドなどだ。しかし、組成者はフィーをとりたいので、デュー・ディリジェンスを行う立場としてはやや疑問が残る。唯一デュー・ディリジェンスを行っているがREITを購入しているヘッジファンドだ。彼らはパフォーマンス・フィーによって生計を立てているので、一応のデュー・ディリジェンスは行っている。この度の株価下落でREITも共倒れすることがないことを祈っている。
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